主任警部モースS6E2【ハッピー・ファミリー】
2020年08月14日 公開
シーズン6エピソード2【ハッピー・ファミリー】のあらすじ&最後までのネタバレです。
タイトルだけでは内容が想像できないですね。
ハッピー・ファミリーということは、ハッピーではないファミリーの話なんでしょうね。(ひねくれてるから)
と思いつつ、最後まで視聴しましたが、なるほど、と思いました。
もし邦題が訳したままの「幸せな家族」だとストーリーの雰囲気とは合致しないのです。
「ハッピー・ファミリー」だから成立している気がしました。というのは、タイトルが英語であることに、どこか皮肉めいたものを感じたからです。
タイトルだけでは内容が想像できないですね。
ハッピー・ファミリーということは、ハッピーではないファミリーの話なんでしょうね。(ひねくれてるから)
と思いつつ、最後まで視聴しましたが、なるほど、と思いました。
もし邦題が訳したままの「幸せな家族」だとストーリーの雰囲気とは合致しないのです。
「ハッピー・ファミリー」だから成立している気がしました。というのは、タイトルが英語であることに、どこか皮肉めいたものを感じたからです。
===
物語の始まりは、一家の母エミリーの誕生日会の様子から。
しかしどうも不仲の模様。
そんな祝いの夜、メアリーの夫であるジョンが殺された。英国有数のトップ企業の社長であることから、金銭がらみの殺しではないかと、モースとルイスは考える。
初動の警察隊が現場から万年筆を発見したが、モースは一緒に紙がなかったことを不思議がる。
玄関および勝手口は施錠されており、窓からの侵入は防犯装置があり、さらに屋敷の周りには堀があるため、侵入は難しいだろうと警官はモースに進言した。
居間に集まった一同を代表し、長男のハリーが話を始めた。弟のジェームズもそれに賛同する。
ハリーは寝る前の散歩で屋敷の周りを歩いており、ジェームズはすでに就寝しようとしていた。
ジョンはカクテルの調合のためにパントリーで作業をしていたと言い、エミリーは水を飲もうと近づいたところで遺体を発見した。
深夜の取り調べは控えようと、二人は退散するが、家族の胡散臭い様子が気になってしまう。誰もジョンが亡くなったことへの悲しみを見せていなかったのだ。
翌朝モースが出勤すると、署内では「警察署祭り」のポスターが掲示されていた。
ストレンジ警視正がバンコクへいる間、引き継いだホルズビー警視が担当することに。野心丸出しの彼は、モースに記者会見に同席するように言う。
有名企業の社長が亡くなったということもあり、ほかの事件よりも注目度が増していた。いつものモース節で記者の質問に応対すると、記者たちは事件以上にモースに好奇の目を向ける。
ホルズビーは自分の出世に傷がつかないか心配するが、モースにはそんなことはどうでもよかった。
「あいつらは、今回の被害者が一般人なら見向きもしないパパラッチだ」
と皮肉って、捜査に戻る。
一方ルイスは、ジョンの会社の顧問弁護士アルフレッドに話を聞きに行った。ジョンが経営していた会社は元々エミリーのものであり、ジョンには商才があっただけで経営権は持っていなかった。
エミリーの父が爵位のあるジョンを娘婿に選んだだけの存在だった。
モースはメイドに話を聞いていた。
「昨日は誕生日会があったけど、相変わらずの喧嘩ばかり。息子兄弟は次期社長の座を狙っていつも揉めていたし、エミリーはそれを知っていて嘆くばかり。
エミリーに好意を持っているアルフレッドが昨日は来ていたけど、奥様は何か含みのある言葉を言っていた」
それについて詳しく教えてほしいと尋ねるモース。
喧嘩ばかりの家族の様子を見て、来客であるマーガレットが「あなたを愛している人はここに全員いるわ」とエミリーを励ましていたと言う。しかしエミリーはその言葉に対して「全員ではない」と答えていたらしいのだ。
モースは誕生日会に参加していたマーガレットに話を聞きに行くが、そこでルイスから凶器発見の一報を受ける。
堀の中から石工用のハンマーが見つかり、それが凶器だと断定された。さらに現場にあった万年筆は20年ほど前にカナダのモントリオールで購入されたものだということが判明。
モースはルイスを伴ってエミリーたちの元へ向かうが、めぼしい証言は得られない。しかし態度から長男のハリーに疑いを持ち始める。
一方でモースは記者会見での様子からパパラッチに興味を持たれ、新聞にあれこれを情報を載せられて困惑する。
その後、警察署にマーガレットの家で暮らすジェシカという少女が訪ねてきて「私は殺人はしていない」と言い出す。
困惑したモースは、疑っていないことを伝えて彼女を家まで送り届け、マーガレットに事情を聞いた。
ジェシカは生みの親から捨てられて、その後すさんだ生活をして問題行動を起こして入院していたらしい。その後、病院からは無事に退院できたものの、世話をするために自分の家で保護していたのだと言う。
その後ルイスと合流したモースは、エミリーの弁護士アルフレッドに話を聞きに行った。
ジョンと息子二人がもめていたのは株式の公開に関してで、ジョンとジェームズは賛成だったが、ハリーは反対していた。反対の理由は分からないが、ジョンが亡くなったことで、公開に関してはいったん白紙に戻った形だという。
その夜、モースはパパラッチに自宅で寛いでいる場面をカメラで撮られて、激怒する。
翌日には「事件解決もせず、音楽に飲酒、読書にふける紳士な警部」との見出しで新聞に載ってしまったのだ。
翌日、エミリーの屋敷を訪ね、ジョンの書斎を捜索したモースはそこで、知人であり東欧地域に博識なジョシュアが、ジョンと手紙のやり取りをしていたことを知る。
奇しくもルイスもまた、兄弟のことを調べている中で、ジェームズが東欧進出に興味を持っているという新聞記事を発見するのだった。
モースはジョシュアに会いに行き、詳しい事情を尋ねた。
「ジェームズは東欧の会社を買収しようとしていて、私に口添えを頼んできたんだ」
ジェームズは東欧の会社の買収のために株式を公開し、資金を得ようとしていた。
その意見と対立していたハリーがジョンを殺したのではないかとモースは考え、ハリーに事情を聞こうと屋敷に向かうが、彼は行方不明に。
ホルズビーは「自白しているようなものだ、これで事件解決」とのんきなことを言うが、ハリーの行方を捜索した結果、敷地内のくぼ地で刺殺体となって発見される。
モースは事件解決が一歩遠のき、またも自分の私生活がパパラッチに狙われると肩を落とす。ルイスはそんなモースの代わりに遺族にハリーの件を伝えに向かった。
ホルズビーはハリー犯人と早とちりして記者会見をセッティングしてしまう。
モースがまた矢面に立たされては厄介だと考えた彼は、モースに出なくていいと伝えたが、その代わりにルイスが記者会見に参加した。
そつなくこなしたルイスはその後、モースとともに監察医を訪ねて死因を聞く。
「胸に刺さったノミは致命傷ではなく、首の骨折が死因だ。死後に刺されたと考えていい」
苛立っていたモースは監察医にも嫌味な発言を繰り返し、とうとう怒ったルイスはモースに苦言する。
「もう少し、監察医の先生に敬意を持つべきです。一生懸命に協力してくれているんだから!」
「お前は記者会見でもやってろ!俺は忙しいんだ!殺人事件の捜査の責任がある!!」
「(記者会見は)誰かがやらないといけないでしょうが!僕だって、責任があるんだ!!」
珍しく言い返すルイスに、モースは何も言えなくなり、そのまま去っていく。
モースはロンドンにいたジェームズを訪ね、一族が狙われる動機を探そうとしたが、有力な話は浮かばない。新聞にはハリーの件と、ルイスの顔写真まで(ルイス刑事部長が頼もしいという文言付きで)載ってしまい、モースは頭を抱える。
ハリーの胸に刺さったノミに「S.F」のイニシャルが入っていたことが気になったが、ジェームズには思い当たる人物がいないという。
その後アルフレッドから連絡を受けたモースはルイスとともに会いに行く。
そして、親子兄弟の確執について詳細を知ることができた。
ジェームズは社則で決まっている「他社株は持ってはならない」という文言を破り、東欧の会社の株を買った。
そして買収を発表させ、不正に株価を操作し利益を得ようとしていたが、それがハリーにばれてしまい、会社から追放されてしまう。
その件で兄弟や親子は揉めており、間を取り持っていたアルフレッドも頭を悩ませていた。
彼はエミリーに若いころから思いを寄せていたが、彼女はジョンとは別の男との間に子をもうけ、出産。その後、子は亡くなり、ジョンと結ばれ、愛のない結婚生活を送っていたという。
ジェームズが一番怪しいと考えられ、モースは事情聴取に呼ぶが今一つ決定打に欠けていた。
ハリーの遺体を見せたところ、胸の傷を見て驚いたジェームズ。彼が何かを隠していると確信したモースたちは、さらに詳しくジェームズについて調べようとするが……
その夜、ジェームズは警察の監視をかいくぐり、庭で何かを掘り返そうとしていた。
警官が異変に気づき後を追ったが、ジェームズは何者かに発砲され死亡する。彼がスコップを持っていたことから何かを探そうとしていたのだと考えたモースは、周辺を掘り返すように指示をだした。
そして結果を待つ間にモースとルイスはエミリーに話を聞いたが、
「あの男と息子には愛情もない。家族とも思っていない。彼らが死んで幸せだから、お祝いにケーキでも食べましょう」
そう言ってモースたちを驚かせた。
庭から男性の人骨が掘り起こされる。暴行された末に死亡し、埋められていたその人物こそ「S.F」だろうとモースは推理。
行方不明者のリストをルイスが検索して、スティーブンという石工が1972年に失踪している事実を掴む。
兄のロバートが失踪届を出していた。彼が屋敷に出入りしていたというジョンやハリーの証言も発見。
スティーブンがエミリーの愛人で、自分たちから財産を奪われるのではないかと考えたジョン達がスティーブンを殺して埋めた。
しかし今回の事件で「S.F」と書かれた凶器が見つかったことから、スティーブンがまだ生きているのではと考えたジェームズが遺体を掘り起こそうとしたのではないかとモースは推理した。
今回の事件の容疑者の最有力候補としてスティーブンの兄ロバートが浮かび、二人はさっそく会いに行く。
しかし彼は15年前に亡くなっていた。
家に戻ってくるとパパラッチが溢れていてモースは我慢の限界に。そこへホルズビーが訪ねてきて、記者を追い払ってくれるのと同時に、捜査から外すとの指示を受ける。
そののち、警察祭りが開かれた。モースも参加するが浮かない顔。
ルーレット会場で威勢のいい声を上げていたのはルイス!(髭もじゃの変装してて可愛いいいいいいい!!!!)
ルイスの誘い文句に乗せられて1ポンドで買ったルーレットのチケットで、モースは見事ぬいぐるみをゲットする。
その足で古本の露店に向かったモースは、ある一冊の本を手にする。その筆者は、マーガレットだった。
それを見た途端、今回の事件の真相に気づいたモースは、自分をつけ狙うパパラッチに「写真を撮れよ」と挑発。ルイスに真相が分かったと告げて、マーガレットの屋敷へと向かった。
モースが本で見たのは、マーガレットの経歴だった。彼女はモントリオールの大学で博士号を取っていた。
「ジョンが持っていたのは、あなたの万年筆だったんですね」
彼女はそれを認めた。マーガレットはスティーブンの妹だった。兄の死に疑問を持ち、ずっと真相を探していた。
そして事件当夜、ジョンを銃で脅し、自白書を書かせた。
モースはその話に疑問を感じた。
「あなたを屋敷内に入れた人物は?エミリーが手引きしたのでは?」
マーガレットはそれを認め、彼女が家族の愛情に飢えていたことを利用し、自分の患者でもあったジェシカを、エミリーとスティーブンの子だと信じ込ませて協力者に仕立て上げた。
エミリーはジェシカが自分の子だと信じ込み、夫や息子たちの脅威から守らなけれならないと思い込ませ、マーガレットに協力したが、それを聞いてモースは一つの恐ろしい展開を予測する。
「エミリーはジェシカが自分の子だと思い込んでいるが、ジェシカは知らないんだろう?ジェシカは実母に対して憎しみを持ってる。
(ジョンや息子たちの)脅威が消えた今、エミリーは自分が母親だと名乗り出さないか?そうすればエミリーはジェシカに殺されるんじゃないのか?」
二人でピクニックをしているという場所まで急いで車を走らせるモースたち。
しかし、すでにジェシカがエミリーをナイフで刺したあとだった……
モースを追いかけてきていたパパラッチが現場を撮影しようとするが、モースはそれを追い払う。
マーガレットは逮捕され、現場にはホルズビーも到着。記者に囲まれたモースは、事件解決の糸口について訊かれ、
「読書の賜物だ」とパパラッチに意趣返しをして去っていくのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
はぁ~~~~ヘビー。
またも救いようのない話ですね。明るさが全くない。綺麗な庭、晴天、モースの真っ赤なジャガー。全然気分が上がりません。
頬が緩むシーンが、ルイスのルーレットシーンだけとか、ほんとキツすぎっす。
ストレンジ警視正が居ない中(バンコクに何しに行ってるの?)、ホルズビーというまた保身に走るオッサンが登場して、モースがいかにも厄介そうにあしらうのが笑えましたが……
家族が捜査に一切協力的でなかったのは、スティーブンの遺体が屋敷内に埋まっていたからなのでしょうかね。
ジョンに恨みを持つ人間、すなわち過去の事件に触れられないように、事件への無関心を装っていた?ということなのか。
それにしてもどうしようもない家族でした。愛がない結婚で息子が二人も出来るんですから、エミリーも大変だったでしょう。
自分のことをいたわってくれる存在が血縁者の中に居ない、そして自分が一番愛した男は追い払われ、子どもまで奪われてエミリーは生ける屍状態だったんですかね。
マーガレットに利用されつつ、ジェシカに愛情を注いでいたエミリーが気の毒にも思えました、結局自分の子でもない女の子を我が子だと信じ(信じたかったというのも大きいでしょうが)、最後には殺されてしまったわけですからね。
エミリーが誕生会の席で言っていた「ここ以外にも私を愛してくれている人が居る」というのはジェシカのことだったんですね。
最初、突然警察に駆け込んできて「私は殺してない」とか言い出したジェシカを見て「この子大丈夫か!!?」と思いましたが、思わぬ伏線でした。びっくり。
そして今回はやっぱり弱り果てるモースが痛ましいと言いますか、毎度毎度痛めつけられているなぁ、と言いますか……
前エピソードでも結構ぼろぼろだったけど、今回もかよ!というのが私の感想でもあります。
今回モースはタブロイド紙にプライベートが載って、厄介な目に遭っていますが、そのタブロイド紙のパパラッチの兄ちゃん二人組が結構イヤな役回りなんです。
記者の髭面の方は、モースと同じオックスフォード大学中退でタブロイド紙の記者をやっているというね。
モースが聞いている音楽(コジ・ファン・トゥッテ)も聞いてすぐに分かっているし、低俗な態度なんだけど、教養を感じるんですよね。
だから、同じような知識レベルにあるはずなのに、どうしてモースをさげすむような記事を書くのか、分からなかったんですよ。
でも、最後の方で何となく感じました。感じた?というより勝手に妄想しただけです。具体的に何かが描かれていたわけではないのですが、彼も何かしら『負い目』のようなものを感じていたのではないかと。
『いい大学を中退して、やりたいことが見つからずに、軍に入ったり、刑事をやったりという、人生に難破しているような日々』を送る自分への自嘲と、周囲への負い目
この負い目は、若モースのドラマを観ていて、なんとなくモースの根底にある『自問自答』みたいなものが透けて見えた時に感じたものです。若モースは別にそんなことを言っているわけではないですよ(あくまでも筆者の捉え方)
だから、このパパラッチの兄ちゃんも、自分の中にたまっているフラストレーションを(モースを利用して)吐き出そうとしているような気がしたんですよね。彼はそういう方法(誰かを攻撃するような記事)でしか、自分と成立させられないのかなと。
だから、最後のモースの皮肉たっぷりのコメントで少しはダメージ食らってほしいなと思います。
そして、やっぱり、ルイスですよ……愛おしすぎるぜ!!!!!
ルイスの存在については毎度言及していますが、言及しないと成立しないんです(個人的に)
今回はストレンジが居なかったから、ルイスがひときわモースのために動いていましたね。
彼は大体いつも日陰の存在です。モースを照らしている役割です。調べものをしたり、モースの代わりに上司のポイントを稼いだり、祭りの盛り上げ役だって二つ返事でOKしますから。
彼が緩衝材になっていることで、モースと他人の摩擦を押さえているんです。ほんと、超有能。それを「僕やってま~~~す」ってアピールせず、スムーズに立ち回れているから、すごいんです。
記者会見でも立派に受け答えしていました。誰のことも陥れず、蔑まず、淡々と情報だけを発信しているところ(しかも緊張もせず、こなれた感じ)がGOOD。
まーじでルイス優秀です、だから、モースもイライラしてヤッカミなんて言ってないで、そのさりげない優しさに感謝しなさいよ!!!!!!!!(いつも私はルイスの味方です)
ここからはどうでもいいけど、気になったまとめ。
警察祭りで、柔道の実演がされていました!急に親近感。
もし、ジョンの手から万年筆を持ち帰っていたら、この事件は迷宮入りになっていたんじゃないだろうか……と言うくらい、マーガレットが犯人であるということを指し示す証拠はなかったよなあ。
ここまで読んでいただきありがとうございました(^^)
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物語の始まりは、一家の母エミリーの誕生日会の様子から。
しかしどうも不仲の模様。
そんな祝いの夜、メアリーの夫であるジョンが殺された。英国有数のトップ企業の社長であることから、金銭がらみの殺しではないかと、モースとルイスは考える。
初動の警察隊が現場から万年筆を発見したが、モースは一緒に紙がなかったことを不思議がる。
玄関および勝手口は施錠されており、窓からの侵入は防犯装置があり、さらに屋敷の周りには堀があるため、侵入は難しいだろうと警官はモースに進言した。
居間に集まった一同を代表し、長男のハリーが話を始めた。弟のジェームズもそれに賛同する。
ハリーは寝る前の散歩で屋敷の周りを歩いており、ジェームズはすでに就寝しようとしていた。
ジョンはカクテルの調合のためにパントリーで作業をしていたと言い、エミリーは水を飲もうと近づいたところで遺体を発見した。
深夜の取り調べは控えようと、二人は退散するが、家族の胡散臭い様子が気になってしまう。誰もジョンが亡くなったことへの悲しみを見せていなかったのだ。
翌朝モースが出勤すると、署内では「警察署祭り」のポスターが掲示されていた。
ストレンジ警視正がバンコクへいる間、引き継いだホルズビー警視が担当することに。野心丸出しの彼は、モースに記者会見に同席するように言う。
有名企業の社長が亡くなったということもあり、ほかの事件よりも注目度が増していた。いつものモース節で記者の質問に応対すると、記者たちは事件以上にモースに好奇の目を向ける。
ホルズビーは自分の出世に傷がつかないか心配するが、モースにはそんなことはどうでもよかった。
「あいつらは、今回の被害者が一般人なら見向きもしないパパラッチだ」
と皮肉って、捜査に戻る。
一方ルイスは、ジョンの会社の顧問弁護士アルフレッドに話を聞きに行った。ジョンが経営していた会社は元々エミリーのものであり、ジョンには商才があっただけで経営権は持っていなかった。
エミリーの父が爵位のあるジョンを娘婿に選んだだけの存在だった。
モースはメイドに話を聞いていた。
「昨日は誕生日会があったけど、相変わらずの喧嘩ばかり。息子兄弟は次期社長の座を狙っていつも揉めていたし、エミリーはそれを知っていて嘆くばかり。
エミリーに好意を持っているアルフレッドが昨日は来ていたけど、奥様は何か含みのある言葉を言っていた」
それについて詳しく教えてほしいと尋ねるモース。
喧嘩ばかりの家族の様子を見て、来客であるマーガレットが「あなたを愛している人はここに全員いるわ」とエミリーを励ましていたと言う。しかしエミリーはその言葉に対して「全員ではない」と答えていたらしいのだ。
モースは誕生日会に参加していたマーガレットに話を聞きに行くが、そこでルイスから凶器発見の一報を受ける。
堀の中から石工用のハンマーが見つかり、それが凶器だと断定された。さらに現場にあった万年筆は20年ほど前にカナダのモントリオールで購入されたものだということが判明。
モースはルイスを伴ってエミリーたちの元へ向かうが、めぼしい証言は得られない。しかし態度から長男のハリーに疑いを持ち始める。
一方でモースは記者会見での様子からパパラッチに興味を持たれ、新聞にあれこれを情報を載せられて困惑する。
その後、警察署にマーガレットの家で暮らすジェシカという少女が訪ねてきて「私は殺人はしていない」と言い出す。
困惑したモースは、疑っていないことを伝えて彼女を家まで送り届け、マーガレットに事情を聞いた。
ジェシカは生みの親から捨てられて、その後すさんだ生活をして問題行動を起こして入院していたらしい。その後、病院からは無事に退院できたものの、世話をするために自分の家で保護していたのだと言う。
その後ルイスと合流したモースは、エミリーの弁護士アルフレッドに話を聞きに行った。
ジョンと息子二人がもめていたのは株式の公開に関してで、ジョンとジェームズは賛成だったが、ハリーは反対していた。反対の理由は分からないが、ジョンが亡くなったことで、公開に関してはいったん白紙に戻った形だという。
その夜、モースはパパラッチに自宅で寛いでいる場面をカメラで撮られて、激怒する。
翌日には「事件解決もせず、音楽に飲酒、読書にふける紳士な警部」との見出しで新聞に載ってしまったのだ。
翌日、エミリーの屋敷を訪ね、ジョンの書斎を捜索したモースはそこで、知人であり東欧地域に博識なジョシュアが、ジョンと手紙のやり取りをしていたことを知る。
奇しくもルイスもまた、兄弟のことを調べている中で、ジェームズが東欧進出に興味を持っているという新聞記事を発見するのだった。
モースはジョシュアに会いに行き、詳しい事情を尋ねた。
「ジェームズは東欧の会社を買収しようとしていて、私に口添えを頼んできたんだ」
ジェームズは東欧の会社の買収のために株式を公開し、資金を得ようとしていた。
その意見と対立していたハリーがジョンを殺したのではないかとモースは考え、ハリーに事情を聞こうと屋敷に向かうが、彼は行方不明に。
ホルズビーは「自白しているようなものだ、これで事件解決」とのんきなことを言うが、ハリーの行方を捜索した結果、敷地内のくぼ地で刺殺体となって発見される。
モースは事件解決が一歩遠のき、またも自分の私生活がパパラッチに狙われると肩を落とす。ルイスはそんなモースの代わりに遺族にハリーの件を伝えに向かった。
ホルズビーはハリー犯人と早とちりして記者会見をセッティングしてしまう。
モースがまた矢面に立たされては厄介だと考えた彼は、モースに出なくていいと伝えたが、その代わりにルイスが記者会見に参加した。
そつなくこなしたルイスはその後、モースとともに監察医を訪ねて死因を聞く。
「胸に刺さったノミは致命傷ではなく、首の骨折が死因だ。死後に刺されたと考えていい」
苛立っていたモースは監察医にも嫌味な発言を繰り返し、とうとう怒ったルイスはモースに苦言する。
「もう少し、監察医の先生に敬意を持つべきです。一生懸命に協力してくれているんだから!」
「お前は記者会見でもやってろ!俺は忙しいんだ!殺人事件の捜査の責任がある!!」
「(記者会見は)誰かがやらないといけないでしょうが!僕だって、責任があるんだ!!」
珍しく言い返すルイスに、モースは何も言えなくなり、そのまま去っていく。
モースはロンドンにいたジェームズを訪ね、一族が狙われる動機を探そうとしたが、有力な話は浮かばない。新聞にはハリーの件と、ルイスの顔写真まで(ルイス刑事部長が頼もしいという文言付きで)載ってしまい、モースは頭を抱える。
ハリーの胸に刺さったノミに「S.F」のイニシャルが入っていたことが気になったが、ジェームズには思い当たる人物がいないという。
その後アルフレッドから連絡を受けたモースはルイスとともに会いに行く。
そして、親子兄弟の確執について詳細を知ることができた。
ジェームズは社則で決まっている「他社株は持ってはならない」という文言を破り、東欧の会社の株を買った。
そして買収を発表させ、不正に株価を操作し利益を得ようとしていたが、それがハリーにばれてしまい、会社から追放されてしまう。
その件で兄弟や親子は揉めており、間を取り持っていたアルフレッドも頭を悩ませていた。
彼はエミリーに若いころから思いを寄せていたが、彼女はジョンとは別の男との間に子をもうけ、出産。その後、子は亡くなり、ジョンと結ばれ、愛のない結婚生活を送っていたという。
ジェームズが一番怪しいと考えられ、モースは事情聴取に呼ぶが今一つ決定打に欠けていた。
ハリーの遺体を見せたところ、胸の傷を見て驚いたジェームズ。彼が何かを隠していると確信したモースたちは、さらに詳しくジェームズについて調べようとするが……
その夜、ジェームズは警察の監視をかいくぐり、庭で何かを掘り返そうとしていた。
警官が異変に気づき後を追ったが、ジェームズは何者かに発砲され死亡する。彼がスコップを持っていたことから何かを探そうとしていたのだと考えたモースは、周辺を掘り返すように指示をだした。
そして結果を待つ間にモースとルイスはエミリーに話を聞いたが、
「あの男と息子には愛情もない。家族とも思っていない。彼らが死んで幸せだから、お祝いにケーキでも食べましょう」
そう言ってモースたちを驚かせた。
庭から男性の人骨が掘り起こされる。暴行された末に死亡し、埋められていたその人物こそ「S.F」だろうとモースは推理。
行方不明者のリストをルイスが検索して、スティーブンという石工が1972年に失踪している事実を掴む。
兄のロバートが失踪届を出していた。彼が屋敷に出入りしていたというジョンやハリーの証言も発見。
スティーブンがエミリーの愛人で、自分たちから財産を奪われるのではないかと考えたジョン達がスティーブンを殺して埋めた。
しかし今回の事件で「S.F」と書かれた凶器が見つかったことから、スティーブンがまだ生きているのではと考えたジェームズが遺体を掘り起こそうとしたのではないかとモースは推理した。
今回の事件の容疑者の最有力候補としてスティーブンの兄ロバートが浮かび、二人はさっそく会いに行く。
しかし彼は15年前に亡くなっていた。
家に戻ってくるとパパラッチが溢れていてモースは我慢の限界に。そこへホルズビーが訪ねてきて、記者を追い払ってくれるのと同時に、捜査から外すとの指示を受ける。
そののち、警察祭りが開かれた。モースも参加するが浮かない顔。
ルーレット会場で威勢のいい声を上げていたのはルイス!(髭もじゃの変装してて可愛いいいいいいい!!!!)
ルイスの誘い文句に乗せられて1ポンドで買ったルーレットのチケットで、モースは見事ぬいぐるみをゲットする。
その足で古本の露店に向かったモースは、ある一冊の本を手にする。その筆者は、マーガレットだった。
それを見た途端、今回の事件の真相に気づいたモースは、自分をつけ狙うパパラッチに「写真を撮れよ」と挑発。ルイスに真相が分かったと告げて、マーガレットの屋敷へと向かった。
モースが本で見たのは、マーガレットの経歴だった。彼女はモントリオールの大学で博士号を取っていた。
「ジョンが持っていたのは、あなたの万年筆だったんですね」
彼女はそれを認めた。マーガレットはスティーブンの妹だった。兄の死に疑問を持ち、ずっと真相を探していた。
そして事件当夜、ジョンを銃で脅し、自白書を書かせた。
モースはその話に疑問を感じた。
「あなたを屋敷内に入れた人物は?エミリーが手引きしたのでは?」
マーガレットはそれを認め、彼女が家族の愛情に飢えていたことを利用し、自分の患者でもあったジェシカを、エミリーとスティーブンの子だと信じ込ませて協力者に仕立て上げた。
エミリーはジェシカが自分の子だと信じ込み、夫や息子たちの脅威から守らなけれならないと思い込ませ、マーガレットに協力したが、それを聞いてモースは一つの恐ろしい展開を予測する。
「エミリーはジェシカが自分の子だと思い込んでいるが、ジェシカは知らないんだろう?ジェシカは実母に対して憎しみを持ってる。
(ジョンや息子たちの)脅威が消えた今、エミリーは自分が母親だと名乗り出さないか?そうすればエミリーはジェシカに殺されるんじゃないのか?」
二人でピクニックをしているという場所まで急いで車を走らせるモースたち。
しかし、すでにジェシカがエミリーをナイフで刺したあとだった……
モースを追いかけてきていたパパラッチが現場を撮影しようとするが、モースはそれを追い払う。
マーガレットは逮捕され、現場にはホルズビーも到着。記者に囲まれたモースは、事件解決の糸口について訊かれ、
「読書の賜物だ」とパパラッチに意趣返しをして去っていくのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
はぁ~~~~ヘビー。
またも救いようのない話ですね。明るさが全くない。綺麗な庭、晴天、モースの真っ赤なジャガー。全然気分が上がりません。
頬が緩むシーンが、ルイスのルーレットシーンだけとか、ほんとキツすぎっす。
ストレンジ警視正が居ない中(バンコクに何しに行ってるの?)、ホルズビーというまた保身に走るオッサンが登場して、モースがいかにも厄介そうにあしらうのが笑えましたが……
家族が捜査に一切協力的でなかったのは、スティーブンの遺体が屋敷内に埋まっていたからなのでしょうかね。
ジョンに恨みを持つ人間、すなわち過去の事件に触れられないように、事件への無関心を装っていた?ということなのか。
それにしてもどうしようもない家族でした。愛がない結婚で息子が二人も出来るんですから、エミリーも大変だったでしょう。
自分のことをいたわってくれる存在が血縁者の中に居ない、そして自分が一番愛した男は追い払われ、子どもまで奪われてエミリーは生ける屍状態だったんですかね。
マーガレットに利用されつつ、ジェシカに愛情を注いでいたエミリーが気の毒にも思えました、結局自分の子でもない女の子を我が子だと信じ(信じたかったというのも大きいでしょうが)、最後には殺されてしまったわけですからね。
エミリーが誕生会の席で言っていた「ここ以外にも私を愛してくれている人が居る」というのはジェシカのことだったんですね。
最初、突然警察に駆け込んできて「私は殺してない」とか言い出したジェシカを見て「この子大丈夫か!!?」と思いましたが、思わぬ伏線でした。びっくり。
そして今回はやっぱり弱り果てるモースが痛ましいと言いますか、毎度毎度痛めつけられているなぁ、と言いますか……
前エピソードでも結構ぼろぼろだったけど、今回もかよ!というのが私の感想でもあります。
今回モースはタブロイド紙にプライベートが載って、厄介な目に遭っていますが、そのタブロイド紙のパパラッチの兄ちゃん二人組が結構イヤな役回りなんです。
記者の髭面の方は、モースと同じオックスフォード大学中退でタブロイド紙の記者をやっているというね。
モースが聞いている音楽(コジ・ファン・トゥッテ)も聞いてすぐに分かっているし、低俗な態度なんだけど、教養を感じるんですよね。
だから、同じような知識レベルにあるはずなのに、どうしてモースをさげすむような記事を書くのか、分からなかったんですよ。
でも、最後の方で何となく感じました。感じた?というより勝手に妄想しただけです。具体的に何かが描かれていたわけではないのですが、彼も何かしら『負い目』のようなものを感じていたのではないかと。
『いい大学を中退して、やりたいことが見つからずに、軍に入ったり、刑事をやったりという、人生に難破しているような日々』を送る自分への自嘲と、周囲への負い目
この負い目は、若モースのドラマを観ていて、なんとなくモースの根底にある『自問自答』みたいなものが透けて見えた時に感じたものです。若モースは別にそんなことを言っているわけではないですよ(あくまでも筆者の捉え方)
だから、このパパラッチの兄ちゃんも、自分の中にたまっているフラストレーションを(モースを利用して)吐き出そうとしているような気がしたんですよね。彼はそういう方法(誰かを攻撃するような記事)でしか、自分と成立させられないのかなと。
だから、最後のモースの皮肉たっぷりのコメントで少しはダメージ食らってほしいなと思います。
そして、やっぱり、ルイスですよ……愛おしすぎるぜ!!!!!
ルイスの存在については毎度言及していますが、言及しないと成立しないんです(個人的に)
今回はストレンジが居なかったから、ルイスがひときわモースのために動いていましたね。
彼は大体いつも日陰の存在です。モースを照らしている役割です。調べものをしたり、モースの代わりに上司のポイントを稼いだり、祭りの盛り上げ役だって二つ返事でOKしますから。
彼が緩衝材になっていることで、モースと他人の摩擦を押さえているんです。ほんと、超有能。それを「僕やってま~~~す」ってアピールせず、スムーズに立ち回れているから、すごいんです。
記者会見でも立派に受け答えしていました。誰のことも陥れず、蔑まず、淡々と情報だけを発信しているところ(しかも緊張もせず、こなれた感じ)がGOOD。
まーじでルイス優秀です、だから、モースもイライラしてヤッカミなんて言ってないで、そのさりげない優しさに感謝しなさいよ!!!!!!!!(いつも私はルイスの味方です)
ここからはどうでもいいけど、気になったまとめ。
警察祭りで、柔道の実演がされていました!急に親近感。
もし、ジョンの手から万年筆を持ち帰っていたら、この事件は迷宮入りになっていたんじゃないだろうか……と言うくらい、マーガレットが犯人であるということを指し示す証拠はなかったよなあ。
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