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主任警部モースS7E3【神々の黄昏】

シーズン7エピソード3【神々の黄昏】のあらすじ&最後までのネタバレです。

さて、シーズン7も最終話となりました。
2019年末?くらいにBSP再放送でシーズン8は放映されましたので、DVDを借りて字幕で観るのはこれが最後になりそうです。
主任警部モースは各動画配信サイトに、ないわけではないんですよね~圧倒的に若モースの作品はあるんですけども、
こちらの作品はなかなか見放題対象ではなくて。
関西の某所を住処としている私の周りのTSUTAYAでレンタルを探すも、なかなかありませんで。
それがたまたま、会社の最寄りのTSUTAYAに在庫があって、こうやって視聴できていますが……旧作を観漁る私が悪いのでしょうけれど。(何の話)
あ~やはり、AXNミステリーしか私には残されていないのか。

そして、今日は文化の日。
文化の日にモースってなんか嬉しいな。今回はクラシック音楽満載なので、文化の日って感じで♪
===

モースは、女性歌手グラディスの声楽クリニックを鑑賞していた。
すばらしい歌声に酔いしれたモース。

翌朝、川面に浮かぶ小舟の上に、頭部を銃撃されて亡くなっている男の遺体があるのを、犬の散歩で通りかかった婦人が発見する。
ルイスが事情を尋ねると、怪しい人物を見かけたことはないが、大型犬をつれている男はたまに顔を合わせると言う。
しかし彼が犯人だとは思わないとご婦人は言った。
一方その頃モースは、コンサートを今日に控えたグラディスに贈る花を花屋で見繕って、事件現場へと向かった。

亡くなったのはネヴィル・グリムショーという男。現場にやって来たモースの様子を見て「あ、機嫌が悪いな」と思ったルイスは、めんどくさそうな表情に。
モースは昨晩のグラディスのコンサートで夢見心地となったことを話すが、あまり芸術を理解しないルイスには伝わらない。

ルイスが身元を調べると、彼は記者をしていた。宿泊先に荷物を残したまま、亡くなっていたらしい。
モースにそのことを報告するも、クロスワードに夢中の様子。モースはまだ昨晩の高揚感の中にいて、捜査に身が入らない。
ルイスに「犯人の名前を言ってくれたら事件解決だ」と冗談を言うと、ルイスは笑った。
そして、ルイスとともにグリムショーの宿泊していたホテルへと向かうことにする。

部屋に残された資料を漁ると、彼がフリーの記者であり、ベイドンという人物を追っていたことが判明する。
彼はとアジアで教育の発展に寄与し、オックスフォードに東洋と西洋の文化を融合させた学寮を建設しようとしていた。それについて取材していたグリムショーは、ベイドンに対し批判的な論調で記事をまとめていた。
日記や手帳などを署に持ち帰ることにし、二人はその足でベイドンに会いに行くことにする。
ベイドンはその日、学寮で法学博士号を授与される式典に出席することになっていた。そしてそこにはグラディスも授与予定者として参加していた。

式典には多くの観客が居た。二人も道路わきに並びその様子を眺める。
ベイドンの横にはグラディスが並んでおり、二人は話ながらモース達の前を通り過ぎていく。すると突然銃声がして、グラディスが倒れた。
ルイスとモースが駆け寄ると、彼女は銃撃されていた。観客や参加者を退避させたルイス。モースはショックのあまり立ち尽くしていた。
現場にストレンジ警視正も駆けつけるが、今回の事件とグリムショーの事件とは別物だろうと推察。それに対しモースは猛抗議。
「一日に二度も銃撃されています。しかも一発の銃弾ということは確実に相手を狙っている。大学の事件なら、卒業生の私が解決します!」
さらに大学の総長であるヒンクシー卿などのお偉方も勢ぞろいとあって、ストレンジは渋々モースに事件を任せることに決める。

モースはデイヴィス副総長から声を掛けられ、グラディスの名誉博士号授与の経緯について尋ねてみることに。
「ポロック卿以外は彼女の博士号授与に賛成でしたよ。ウェールズが生んだ名歌手ですから」
ポロック卿は今日の式典には不参加を表明していたらしく、姿もなかった。

グラディスはイギリス滞在中、スタイリストや世話人などの使用人が多かったため、ベイドンの屋敷に宿泊していたと言う。
というのも、ベイドンの妻アデルが熱狂的なグラディスの追っかけをしていたからだった。
ベイドンに対して恨みを持つ人物はいなかったかと尋ねると、個人に対しての恨みは知らないが、新規に設立する学寮が余りにもダサくて(タージマハルみたいだと)批判が集中していた。
「警察の方でなんとかしてもらえないかと思っているくらいだ」

入れ替わりにベイドンがやってきて、モースは事情を聞いた。
デイヴィスが総長のヒンクシー卿に言われて「早くランチが食べたい」とやんわりとモースに抗議したのを聞いていたベイドンは、少し呆れているようにも見えた。
モースはグリムショーのことを知っているか尋ねたが、記者には仕事柄頻繁に会うため記憶にないと答えた。
グラディスの件も含めて、屋敷を訪問させてほしいと頼むと彼は非常に協力的だった。

グラディスは依然予断を許さない状態ではあった。ルイスと合流したモースは、ヒンクシー卿から声を掛けられる。
「午後のお茶会で、退任のあいさつをするんだ。早く聴取を終わらせてほしい」
こんな状況でさえ、のんきなことを言う彼に呆れるモースだったが、
「当たり前のことを毎日続けることで、イギリスは戦争に勝ったんだ」
とヒンクシー卿は主張。思わずルイスは噴き出してしまう(可愛い)

モースとルイスは、なぜグラディスが図書館の前で狙われたのかを考えていた。
「ほかにもいろんな場所を行進していて、グラディスに接近することは可能だったのに、なぜここなんだ」
狙いにくい図書館でなければならない事情があるのではないか。そう考えたモースは図書館へ向かい、職員が過ごす部屋の窓から現場を見下ろした。
するとちょうど射撃に好都合の場所だと分かり、ここが現場だと断定する。
図書館に居た職員などが怪しいと考えたモースたちが外へ出ると、ルイスが聴取していたグラディスのスタイリストの男が駆け寄ってきた。
ウェールズ語で書かれているから分からないが、グラディスの妹であるマリから預かっていた紙袋の中に手紙が入っていたと言う。
通りかかったデイヴィスを呼び止めて中身を解読してもらうと、そこには
「私か、あなたしかいなかった。だから、ごめんなさい」
と書かれていた。

モースはルイスとともにベイドンの屋敷へと向かっていた。
おなかが減ったルイスが途中でご飯を食べようと言うも、グラディスの悲劇を伝えるラジオニュースに夢中のモースは無視。
一方で、グラディスの病室をベイドンの妻アデルとその娘ベラが訪れていた。
ベラは自分の学生寮の部屋が荒らされていたことを母に伝える。
兄のフレッドとやり取りをしていることは周囲に秘密にしていたが、そのやり取りの手紙が奪われてしまったと母に伝えた。
自分のことを執拗に追いかけていた記者の犯行ではないかと疑うが、ベイドンの耳に入ることを恐れたアデルは、ベラに口止めをした。

ベイドンの屋敷でグラディスの秘書に話を聞くモース。
グラディスはかつて一度結婚していたが、仕事に対する考え方の不一致で離婚。その後は特定の相手を持たなかったと言う。
妹マリとの関係を尋ねるが、妹のために何でも買い与えていたらしい。
別のアシスタントにも話を聞くと、マリとは不仲だったわけではないがよくケンカはしていたと教えてもらう。
「グラディスは兄弟がたくさんいる。故郷のウェールズにはあまりいい思い出がなくて、マリを実家から連れ出した時に母親ともしこりが残って、あまり家には寄り付かないそうです」
彼女がコンサートの幕間のトークで、故郷や家族の楽しいエピソードを語っていたのを聞いていたモースは、それが嘘だと分かり、ショックを受ける。

そこへベイドンがヘリコプターに乗って帰宅。秘書は、同僚のウィリアムズから預かった封筒をベイドンに手渡した。
その手紙はアデルの娘ベラの部屋から盗まれた封筒で、中には家出した息子の写真と手紙が入っていた。

ルイスはグラディスの仕事仲間に話を聞いていた。
敵がいないことはないが、ライバルは今ブラジルで公演中らしい。だから彼女を襲うことはできないと言う。
ルイスは他にも何かないかと訊き出そうとするが、相手はどうやらルイスに気があるようで、ぴしゃりと断ると逆切れして立ち去ってしまう。
モースは、お付きのピアニストに話を聞くが、芸術分野以外の彼女には立ち入らないようにしていたと答える。
妹のマリと何かを話していることはあったが、すべてウェールズ語で話しているため、内容までは分からないと言う。
どうしてもその内容が知りたいとモースが言うと、アデルならばわかるかもしれないと教えてくれた。

ベイドンはウィリアムズからもらった手紙をもとに、自分の息子がパラグアイに居て、妻や娘と密かにやり取りをしていたことに激怒する。
その後モースはルイスとともに、グラディスの入院する病院へ向かった。適当に記者をあしらうモース。
苛立つ記者を宥めたルイスは、グリムショーという記者を知らないかと尋ねるが、だれも知らなかった。

病院でベイドンの妻アデルと娘のベラにそれぞれ話を聞くことにしたモースとルイス。
グラディスの結婚生活についてモースはアデルに尋ねた。
「彼女は性欲が旺盛で……元夫とはそこが合わなかった。それに彼女は若い男が好きだから、若くて美人の妹マリを家から連れ出して、一緒に男漁りのようなことをしていたの。
そして一年半前、マリに若い恋人ができた。でも、それをグラディスが譲るように言ったの。でもマリは本当に彼を愛していて、喧嘩になった。
グラディスの使用人たちも、マリ支持派とグラディス支持派で分かれた。その時にマリを支持していた使用人はクビになった。
その後、マリは姉のことを考えて、男と別れたわ」
一方ルイスは娘のベラに話を聞いた。グリムショーという記者の名前を出した時、彼を知っているような言動をしたベラのことが気になったルイスだが、急に病院が騒がしくなる。
妹のマリが恋人を連れて病院にやって来たのだ。

モースは二人に事情をきいた。マリは苦しい胸の内を吐露した。
「私は14歳の時に姉に家から連れ出された。それからはずっと一緒にいた。でも、私も自由になりたかった。彼と別れたけれど、半年前から秘密裡にまた交際を始めた。
そして子どもが出来たの。姉から逃げたかった」
それを聞いたモースは、グラディスを殺そうとする人物に心当たりがないかと尋ねるが、分からないと言う。

一方のルイスは、グリムショーの記事を読み直して、あることに気づく。
ベイドンはその昔、ナチスの収容所の看守をしていたという内容だった。
「だから何だ」とモースは言うが、ルイスは「今回の狙撃事件が、グラディスを狙ったものではなく、ベイドンを狙ったものではないのか」と主張。
モースはルイスの仮説に納得。事件発生時に図書館にいた人物で、ベイドンにつながる人物がいないかをルイスに探させる。
ベイドンがバグドナスという本名で収容所の看守をしていたとグリムショーの記事に書かれていたとルイスが言うと、モースはベイドンがリトアニアの収容所に居たことはインタビューでよく語っていたと言った。

モースはベラに会った。すると彼女は、グリムショーが会いに来たのだと証言した。
兄のフレッドが父のスキャンダルを追っていたのは、父親から逃れるためでもあった。
パラグアイという地で「ヘンダーソン」として暮らしているらしいが、パラグアイを選んだのは「想像もつかない場所」の方が父から逃げられると考えたからだろうとベラは言う。
しかし、自分が兄とやり取りをしていることを知っていた人物は誰もいないはずで、部屋を荒らした人物がなぜ「手紙の存在」を知っていたのかが分からないと彼女は首をひねった。

ルイスは巡査を伴って図書館を調べていた。
ちょうど司書の女性が本を棚に戻そうとするが、奥に何かが詰まっていて入らない。巡査が探ると、そこには拳銃が置いてあった。
そこにはちょうど東欧関連の書籍が置かれていた。
「その本は歴史学のイグノタス博士がよく借りていた」
と司書は言う。彼の出身はリトアニアだった。
歴史学部の図書館に居るという彼を二人は訪ね、警察へと任意同行した。

拳銃の指紋とイグノタス博士の指紋は一致するが、グラディスの銃創とは一致するものの、グリムショーのとは異なっていた。
モースはイグノタス博士に、グリムショーやヘンダーソンと名乗る青年に会ったことがあるかと尋ねた。
イグノタスはそれを認め、グリムショーとは昨晩7時に会ったと答える。
「ベイドンがリトアニアで何をしていたか知っているか?拷問したんだ、ユダヤ人だけでなく、ポーランド、リトアニア、エストニア人も。私も拷問された。
私は真実を伝えようとした。なのに、この国では言論の自由がない。新聞記事は差し止め、名誉棄損だのと警察を呼ばれる」
ベイドンの息子フレッドにも父親の悪行は話したとイグノタスは言った。
しかし、ベイドンの腕には収容所で入れられたという収容者番号が刻まれていたはずだとモースは言うが、
「そんなものはいくらでも後から入れられる。私はベイドンを殺そうとした。だが、下手くそで……すまない。彼女には悪いことをしてしまった」
肩を落とすイグノタスに、モースも黙る。
「もし、裁判にかけられたら、証言の自由はあるか?なんでも話すことができるか?止められないか?」
その問いに、モースは頷いた。するとイグノタスは安心したように微笑んだ。
「ならば、すべてを話そう……」

モースとルイスは急いでベイドンの屋敷に向かい、秘書に話を聞いた。
彼女はベイドンをかばおうとするが、もしそのままかばい続ければ、自分の名誉は無くなると迫られる。
通話記録からウィリアムズという警備の男との通話が多いことが分かり、秘書も堅い口を割った。
そして、ベイドンと警護のウィリアムズをグリムショーの殺害容疑で逮捕する。
事情聴取でベイドンは語った。
「あの時代は生きるか死ぬかの選択を迫られた。だからファシストに協力しただけだ。英国人のお前にそれが分からないだろう?」

二件の事件が一気に解決してストレンジ警視正はルンルンで、学寮での夕食会を楽しみに待っていた。その姿が滑稽で仕方ないモース。
「大学は寄付金集めに奔走しているが、そのくせに頻繁に夕食会を開いている。もっと有意義なことに使えないのか」
皮肉たっぷりの言葉を浴びせるモースにストレンジはたじたじになった。

遅くまで仕事をするモースを見て、ルイスは疲れているから帰った方がいいのではないかと促した。
「疲れ切ったよ。なあ、ルイス。芸術と人生だよ。私は芸術にばかり感けて、人生には疎い。
芸術家は私にいつも力を与えてくれていたよ。だから私は芸術家を、自分とは違う人間だと思っていたよ……」
それを聞いてルイスは答えた。
「父はフットボールが好きでしたけど、選手は嫌いでしたよ。人物と行動は切り離して考えろと」
「正しいな」

壁に貼ってある今夜あるはずだった(グラディスの)コンサートのポスターを眺めたモース。
「今日はコンサートだった」
呟いたモースに対し、また次がありますよとルイスは励ました。
(彼女への)見方が変わってしまったと言ったモースは、ルイスに「早く奥さんのところへ帰ってやれ」と促した。
「奥さんによろしく。おやすみ」
モースの意外な気遣いの言葉に、ルイスは驚いた。

帰り道、コンサート会場の前を通ったモースは、キャンセルの知らせが貼られたポスターを数秒の間見て、静かに車を発進させた。
歌姫の居ない控室には、山のような花の贈り物が。その中で、モースの贈った深紅のばらが、静かに佇んでいた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ちょっと難しい話でした。事件のことではなく、モースの心情理解が。
モースだけは毎度やたらに長い感想になってしまうのですが、今回はいつもにもまして長いかも。

まず、唐突に訪れた終幕に驚きました。イグノタス博士がすい星のごとく現れた時は、若干目が点になりましたね。
話の収まりとしてはモヤモヤ感はなかったんですけれど、糸口の発見から解決までの速さが豪速球。

面白かったシーンのまとめ。

最初の遺体発見シーンで、第一発見者に早く帰らせてほしいと言われたルイス。
ですが、勝手に帰らせるわけにもいかないルイスは、ご婦人に向かって「部長刑事はでしゃばらないので」と言います。
私はくすっときましたが、ご婦人には何のことやらって感じでしょうね。

モースは機嫌が悪く、グラディスの狙撃犯を「芸術を破壊するような人間だ」と断罪するわけです。
その口ぶりがなんだか(芸術を理解しない)自分を批判しているように聞こえたルイスは反論をします。
「僕は無知なだけで、芸術を破壊しようなんて思っていない。ただ、(芸術を)強要されるのが嫌なんです!」
ちょっと語気の強いルイスに、モースは「君に言っているわけじゃないよ」と言うんですがね。
ルイスもおなかが減っているからか、ちょっとカリカリモードでした。

たしかに、芸術は強制されるものではありませんからね。私もルイスと同意見。人それぞれ趣味趣向は違います。
まあ、一般常識として知っておくべきことはあるかと思いますけど、それの良し悪しを判断するのはあくまでも個人ですしね。
私はオーケストラに所属していますが、バロックや古典、ロマン派初期くらいが好き。
三大Bやチャイコやドヴォさんは好きですけど、ブルックナーとかワーグナーとかはどうも苦手。演奏しますけど、好んで聴いたりはしません。
クラシック好きですけど、私は洋楽も好きで70年代~80年代にロックやニューウェイブ、エモ、テクノとかも大好物。とにかくスーパー多趣味で寛容。
絵画に彫刻、文学も好きだし、何でも「自分にない才能を持っている人は凄い」と思う質なので、ルイスもそういう人間なんじゃないかなと勝手に思っています。
ルイスはいつだって謙虚で好奇心旺盛ですから。私もそうです(自称)興味がないからって嫌いってわけではない。

ちなみに空腹を満たしたのは二人とも、ベイドンの家についてからでした。ルイスはパンをもぐもぐ。モースもパンをもぐもぐしています。可愛いシーンでした。

ちょっと余分な話を盛り込みますが、タイトルについて。
「神々の黄昏」ってのはワーグナーの「ニーベルングの指輪」から取られたタイトルだということに、流れている音楽を調べてから、気づきました(聴いても気づかないのは、ワーグナーを全く聴かないからですw)
詳しくはウィキで神々の黄昏(Wikipedia)
第四幕(最終幕)です。超長い作品なんですけど、中でも最終盤の「ブリュンヒルデの自己犠牲」の場面です。彼女が炎に包まれていくっていう。グラディスが歌ってました。

んで最後のシーンで、ベイドンが新設しようとしていた学寮の模型が燃えるシーンがありました。あれはきっと炎とリンクしているのかなと勝手に思いました。自己犠牲かどうかは別として。

そして、本当のラストのシーン。モースが、グラディスがコンサートをする予定だった会場から車で走り去るシーンがいい!!
最後、ブリュンヒルデ役の歌が終わって、管弦楽が鳴ったあと、ホルン?かトロンボーン?かのEの音がファーンと鳴るわけです。
そしたらそのEの音の響きの中から、モースのテーマソングのモールス信号(Eの音)が湧き出してくるんですよ。いや~、素晴らしいと思って鳥肌が立ちました。
三回巻き戻して、聴いた。すごく、綺麗な終わり方だと感じましたね(私の乏しい感性ですが)

さて、今回はグラディスの関係者の中に若干おかまっぽい人が居ましたね。数人。その聴取をルイスが担当しているわけですが、べたべたと触られています。ルイス、モテてます。いいな~私も触りたい!!可愛い!うらやましい!!

ボイストレーナーの(オカマぽい)男性が、グラディスのライバルについて話している内容が面白かったです。
ライバルが現在公演している演目が「さまよえるオランダ人(これまたワーグナー)」だったんですが、
「あの下手くそさなら、本当にさまよっているでしょうね」的な皮肉を言っていました。愉快ですwそういうシニカルな台詞はとても好み。

その他、大学の総長がめちゃくちゃ偏見持ちのじじいで、清々しいくらいでした。めちゃくちゃプライド高いんだな。
あれって古き英国人を模しているキャラなんでしょうね。アメリカの大学の卒業なんて価値はないとか言ってましたしw
あと、イギリス人は事件より、お茶会の方が大事……みたいは一幕がありましたが、そこまでwwというのは大げさなのかもしれないですけど、自分のペースを持っていて、気高いということを表現したかったのかな?

と、ここまでが面白かったな~シーンのまとめ。なんか観ている途中に色々ともっと思っていた気がするのですが……
で、ここからは難しいなと思ったターンのまとめです。
毎度、シーズンの終わりはモースが物悲しい雰囲気で終わるんですよね。普通、シーズンの終わりってなるともっと華々しく、清々しく終わりたいと思うんですけど、主任警部モースは常に逆を行ってます。
思えば、シーズン1の「死者たちの礼拝」も明るい終わりではなかったし、シーズン2の「ウッドストック行き最終バス」も動機?(といえないようなきっかけ)も結末も悲しかった。
シーズン3の「カー・パーク5Bの謎」くらいですよ、普通に事件が終わったのは。

そしてこのシーズン7も、なんだか考えることがありそうな終わりでした。
このエピソードの核になっているのは、「祖国」と「芸術」ってのがあるのかなと感じました。

まずは「祖国」の方ですが、冒頭部分でベイドンが新設しようとしていた新しい学寮がイギリス的ではないと猛批判を受けています。
じゃあイギリス的って何なんだろうと思えば、イギリス大好き気高いステレオタイプなジジイ(学長)が人種差別全開の発言をしていると言うね。
ベイドンはリトアニアで収容所の看守として多民族を弾圧し、拷問している過去があった。それが今回の殺人の引き金になっているわけで。
当時の状況が壮絶なものでしたでしょうから、ベイドンが「生きるためにはそうするしかなかった」という発言をするのも、当時を生きた人ならば仕方がないことなのかもしれないと思ってしまいます(善悪で言えば絶対的にダメだけど)。
でもそれはあくまでも加害者側の意見で、被害者だったイグノタス博士からすれば受け入れられないのもわかります。
そして、ベイドンに対して一切同情心が湧かなかったのは、いかんせん、現在の彼の態度によるものです。
自分の過去を後ろめたいものだと思っているのなら、ああいう横柄な態度になってはならないはずなんですよね。秘書を牛だと言ったり、批判するものを殺したり、追い詰めたり。
あげく自分は「収容者だった」と嘘をついて入れ墨まで入れているというね。いつ入れたのかは知らないですけども。
裏での言動が、表の言動の誇りをすべて消し去っています。
イグノタス博士が裁判で証言に立って、事実をすべて明らかにできる場が設けられたことは救いですかね。もちろん殺そうとしたことは悪ではありますが。
裁判で証言ができると知った時の彼の表情に、なんとも言えないものを感じました。光を見つけたお顔でした。
抑圧された歴史をようやく、解放できるんだという喜びが出ていたように思います。彼は(強国だったころの)リトアニアの歴史を専門に研究していると語っていました。故郷への誇りを胸にずっと生きてきたんだろうなと思います。
だからこそ、自分がされたことを公にしたかったし、(リトアニアの雄みたいな感じで)大きな顔をしているベイドンが許せなかったんでしょう。

ベイドンだけでなく、グラディスに関しても。
彼女はウェールズの出身でした。だからこそ(いろんな思惑もあって?)名誉博士号の授与に選定されたわけですが、そんな彼女は、家族と過ごした故郷を良いものと思っていなかった。
モースはそれを知ってショックを受けていましたね。
まあ、家族との思い出があまり良いものでなければ、必然的に故郷への想いも良いものではなくなるのでしょうが。

次に「芸術」に関してですが、モースとルイスが小さな喧嘩をしたのは「芸術」への意識と関心の熱量差からでした。
モースは芸術に対して造詣が深いし、理解をしようと勉強している。ルイスは上記のようにきっと芸術にたいしてフランクに接しています。
懐古主義というわけではないのでしょうが、モースは歴史や過去に重きを置いているタイプの人間。
「人生に対しては疎い」と言っていたのはきっと、人生の折々で、先人の知恵を借りてきたからなのかなと思います。
モースは哲学が好きだと別のエピソードでも描写がありましたが、人間の思考言動は「説明がつく」ものだと思っているような節があるようなないような。
たぶん突き詰めればそうなんでしょうけど、理屈が先行しちゃうんですよね。モースは、きっととても優しい人で、相手を理解しようと頑張っている人。
でも相手は他人だから、簡単には理解できません。それを理解するために、理論立てて考えているんだと私は思います。それの一助となっているのが、哲学だったり先人の行動だったり、古典文学だったりなのではないかなと。
そして、あふれ出る情熱だとか止め処ない悲しみを表現するために紡がれる「芸術」に対し、モースは憧れ?というか畏敬の念があるのではないかと私は解釈しています。
モースは感情表現が苦手(なように見える)だから、余計にそうなんじゃないかと思ってしまう。

だからモースは「芸術家は自分とは(位が)違う人」だと思っていたんじゃないかなと。
グラディスを例にすると「演じる役の魂を歌声に宿らせられる才能あふれるグラディスは、まさしくブリュンヒルデのように愛と勇気溢れる自己犠牲の人に決まっている」みたいな幻想を抱いていたと言いますか。
でも蓋を開けてみれば、グラディスは若い男が好きな性欲旺盛な女性。男を引っ掛けるために若い妹を家から連れ出し、妹の男を奪おうとする。
さらに感情に任せて使用人をクビにしたりと、憧れていたディーバとしての女性像とはかけ離れていて、落胆したんだろう。
冒頭からしばらくの間、グラディスの歌声の余韻に夢見心地の気分だったモースが描かれていたので、余計に落差があったのでは。
信じていた人に裏切られる、というのとはまた違う感覚で、思い出は綺麗なままがよかった、伝説は伝説のまま……みたいなことだったのではないかと私は解釈しました。

ルイスはそれを察知したんでしょうね。フットボールでの例え、非常にルイスらしかった。
「人物と行動は別物」
まさにその通り。
私のうだうだ長ったらしい考察を一蹴する明快なルイスの台詞に完敗!&乾杯!
芸術も、フットボールも同じ。どんな素晴らしい作品を残しても、どんなプレーで魅了しても、みな一人の人間に過ぎないのです。
うわ、最後にめっちゃ哲学っぽい一言出たw

ここまで読んでいただきありがとうございました(^^)

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ちゃんこい
Posted byちゃんこい

Comments 2

There are no comments yet.

S・H

こんにちは!

お疲れ様です。
現在、AXNミステリーで週1回放送されている「モース」を順次見ているところですが、ちゃんこいさんのブログを追い越して既にスペシャル版に突入しています(笑)
この回が「シーズン」ものとしては最後で、以降は年1回放送のスペシャル版になっていくわけですけど、この回に関しては私は今一つピンときませんでした…。なんでかな~。もう一度見てみないと、分からないのかも。
ただ、キャスティングは豪華でしたね。名優ジョン・ギールグッドが出ていて驚きました。シーズンの最後だから、豪勢にキャスティングしたのでしょうか。あとは駆け出しのレイチェル・ワイズも出ていたりして、その辺りは楽しめました。
スペシャル版シリーズも2回見終えたところで、残りは3回です。あの伝説の最終回(調べ過ぎて、もう結末を知ってしまっていますが)に向けて、今からドキドキしているところです。
ちゃんこいさんも、AXNの仲間入りかな?ちなみに今月は中旬から毎日「ルイス」を放送しますよ(笑)

2020/11/07 (Sat) 15:51
ちゃんこい

ちゃんこい

Re: こんにちは!

S・Hさん、いつもコメントありがとうございます!
色んなドラマを同時並行で観ているせいで、モースがどんどん後回しになってしまい、ようやく先日SP版に突入しました!
ブログの書き出しでも書いたのですが「あと少しでおわっちゃう」と思うと、寂しくてなかなか手が出せずにいました。
私もネタバレサイトを読みすぎて、結末まで分かっている手前、ますます寂しく思えて、気持ちが遠のいてしまいます笑

このエピソード自体はイマイチ「ミステリー」という感じがない話だなと思ってしまいました。
クラシック好きとしては、楽しく視聴できたのですが、展開としては謎なまま……
私が俳優さんをよく分かっていない(すみません)ので、S・Hさんにいろいろと教えていただいて、後から振り返って確認しているのですが、今回も確認しました!
ジョン・ギールグッドさんはオリエント急行の人ですよね。あのじいさん(失礼)がそんな凄い人だとは思ってませんでした笑
そしてカワイイ女の子ベラがレイチェル・ワイズだとも……ハムナプトラやナイロビの蜂は観たのですが、全然つながりませんでした。やっぱり俳優さんのお顔を覚えるのは難しい(ーー;)

ツイッターでAXNミステリーをフォローしていまして、ルイスが放送開始とお知らせが流れていました……老いたルイス警部のお顔を見て、ぐぬぬ(可愛い、の意)となっております。
来年1月に生活環境が変わるので、それを機に入会しようかと思っていたのですが、く~っ(;∀;)まさかのこのタイミングでの放送開始。
何度でも再放映してくれると信じて、次回の一斉放送を待ちます(観るなら1話から順番に観ないとダメな人間)

2020/11/15 (Sun) 02:27