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刑事コロンボS6E3【殺しの序曲】

シーズン6エピソード3【殺しの序曲】のあらすじ&最後までのネタバレです。

シーズン6の最終話。
トリックとかめちゃくちゃ凝っている回なのですが、それ以上に加害者の被害者への「イジリ」と、その空気感が切なくて、ダメージ食らいました。

===

世界トップレベルの知能指数の者たちしか入れない「シグマクラブ」
会合が開かれているなか、そのメンバーの一人、バーティが二階の図書室で殺された。
殺したのは、バーティと会計事務所を共同で営んでいたオリバー。バーティに横領の不正を暴露されそうになったため殺害したが、犯行が行われた時には、彼は一階でメンバーたちと一緒にいた。

コロンボがさっそく捜査に乗り出すが、階下に居たシグマクラブのメンバーも捜査に参加する。
被害者が撃たれた音は1発。それを階下にいたメンバーは聞いていた。そして犯人が逃走するときの足音も聞いていたが、コロンボは発砲音から足音が聞こえるまでの40秒ほどの時間が気になっていた。

コロンボはオリバーの会計事務所へと向かった。
そこで秘書の青年ジョージに声を掛けるが「秘書ではない」と言われてしまう。というのも彼はその日から秘書から昇格したのだ。
代わりのその秘書の席に着いたのはアルビンという青年。彼はバーティの部下だった。
秘書をしながら公認会計士としての研鑽を積み、ゆくゆくは会計士として昇格するのが恒例だという。
オリバーに会いに来たが、彼は早めの昼食に出たらしく、アルビン曰く近所の公園を散歩しているのではないかと言うので、コロンボは探しに出かけた。

その頃オリバーは犯行現場のシグマクラブへと向かい、殺しの証拠となる銃を回収していた。
紙袋に詰めて公園のゴミ箱へと捨てようとするが、そこへコロンボが来てしまう。
しどろもどろになりながらも受け答えをしつつ、目を盗んでなんとか銃を処分することに成功する。

その後、コロンボはシグマクラブへと向かった。
階下に居たメンバーが聞いた銃声は本当に犯行時の音なのか、コロンボは疑問に思っていた。
シグマクラブのメンバーであるキャロラインが「レコードに吹き込まれた音だったのでは?」と案をだすが、コロンボはすでにそのレコードを聴いており、そんな音は入っていなかったと言う。
しかし彼女の着眼点の良さをコロンボは褒めた。

夜、コロンボはオリバーの家を訪ねた。
そこにはシグマクラブに置いてあるものを同じステレオ装置があった。
最新式で、スキップや頭出しなどの機能がついていることを教えてもらい、その場をあとにする。
その後、コロンボはナイトクラブへと向かった。そこでは元秘書で出世したジョージが居た。
「横領を知っていて隠すなら、同罪になるよ」と彼に言って、コロンボは去る。揺さぶりをかけたのだ。

翌朝、コロンボはジョージに会っていた。コロンボはアルビンからオリバーの不正について聞いていた。
「バーティが秘書のアルビンに、オリバーさんの秘密の帳簿を漁るように命令したんだ」
オリバーは金持ちの資産の一部を横領しており、ジョージもそれを知りつつ加担していた。それで出世することができたのだ。
コロンボはその話を聞いたものの、オリバーには「バーティが帳簿を弄っていたのかもしれない」と嘘の話をする。

オリバーは自分の不正がコロンボにバレたのではないかと焦り、イライラが募る。
その夜、オリバーの家にコロンボの部下から呼び出しの電話が。指示された通りシグマハウスへと向かったオリバー。
最新式のステレオ装置の一部に残るひっかき傷が気になっていたコロンボ。
コロンボは真犯人がどうやってバーティを殺したのか、実演を始める。
自分の考えた完璧なトリックが見破れるはずがないと高を括るオリバーだったが、コロンボは次々と解いていく。
「この謎解きは、クラブの皆さんが一緒にかんがえてくれたんですよ」
そう言いながら推理を進めていくが、最後の一手で敢えて間違ったトリックを自信満々に説明する。
それに痺れを切らしたオリバーは「あんな馬鹿に何ができる」と言いながら、自分が考えたトリックをコロンボの前で披露してしまう。

周囲を馬鹿にし、驕るオリバーの性格を利用したコロンボの罠だった。
コロンボの頭脳に感服したオリバーは、項垂れつつもコロンボにIQクイズを出す。あっさりと解いたコロンボにオリバーは「刑事にしておくには惜しい存在だ」と恍惚の表情を向けたのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

コロンボの「?」①
犯人の足音?
発砲してから、逃走までおよそ40秒。強盗が財布の中身を奪って逃げるには、時間が掛かりすぎているのがコロンボは気になる。

コロンボの「?」②
二発の銃声。銃弾は同じ角度から入っていた。
一体どうやって?

コロンボの「?」③
犯行時、途中から鳴った音楽。

「?」の内容が薄くてすいませんって思いつつ、感想へ突入します。

犯人のオリバーって人、内心色んな人を小ばかにしているわけですが、そういう歪んだ心?っていうのは幼少期から形成されるものなのかなと思います。
最後、コロンボとの推理合戦の前に、ぼそりと、小さいころからチヤホヤされて「神童だと思われたくなかった」と言っていましたね。
友人がいなかったとか。それは「頭が良すぎて友達ができない」っていう悲しみでもあるけど、本能的に見下してしまうってのもあるのかな。
だから周りには人が居なかったし、奥さんにも愛情を心から?は掛けられなかったのかも。でも横領は、奥さんのためにやった、とも言ってましたね。そこはよく分からん。感情?想いがすれ違っとるわ

この殺人の動機は「横領隠し」ではあるのですが、もっと根が深いのは、冒頭のシーンで分かります。
バーティのことを笑いの種に弄りまくっているんですよね、オリバーは。バーティはそれが嫌だった。
だから、弱みを握ろうと思って、秘書に帳簿を漁らせたんじゃないかな?
バーティもシグマクラブに出入りしているわけだから、頭がいいわけですよね。(シグマクラブ=メンサみたいなもんか?)
ってことは、バカにされるのがイヤに決まってんじゃん!と思うんですけど。
頭のいい人って弄られるの苦手な人が多いイメージがありますし。
私は頭がいいというわけではないですけど、弄られるのは苦手ですね。

明らかに嫌そうな顔をしていたけど、バーティは根が優しいからか、それでも「しゃあないなあ」って表情で受け入れていました。
だからこそ、痛々しくて、見ていてつらかった。その優しさにオリバーが全乗っかりしているんですよね。それもつらい。
オリバーみたいに頭良すぎると、人の気持ち分からないんですかね(失礼)
「弄り」って笑いの世界でもよくありますけど(最近の風潮として減ってはいるのかな)、そのイジリって、信頼関係がないと成立しませんからねぇ。よく言う「愛のあるイジリ」ってやつじゃないと。イジリとイジメは紙一重ですからね。
もしかしたら、オリバーはバーティと「信頼」があって、受け入れてくれると思い込んでいたのかも。でもバーティは限界だったんだろう。
その「すれ違い」が凄く寂しく思えたんですよね……

ジョージとアルビンはこれからどうなるんだろう?気になる二人でした。若い男性が物珍しいってのもありますがw
ジョージは胡散臭そうだし、アルビンがちょっと怖いw

面白かったシーン。
オリバーが銃を捨てようとしたシーン。一度捨てて何とか行けたか!となるんですが、その後、別の人がごみを捨てたことで、紙袋から銃が出てきちゃうわけです。
オリバーはヒヤヒヤ。コロンボに見つかるんじゃないかと冷や汗だらだらになっているわけですが、タイミングよく、ごみ回収の人が取りに来て、オリバーは胸をなでおろします。
そこからは饒舌に喋る喋る。怪しすぎますねw

ジョージと話をするシーン。カフェに入っているのですが、外のワゴンでドーナツを買って持ち込んでしまい、ウエイターの女性に怒られます。結構にらまれてて笑えますね。
しかもドーナツは回収されてしまうというw一口しか食べてないのに!可哀想。

このエピソードでは、ドーナツのほかに、アイスクリームも登場するのですが、どっちも美味しそう!お腹が減っているからってのもありますが、
ワゴンで販売している物ってなんでなんであんなに美味しそうなんだろう~。甘い物食べたくなっちゃいましたね。

それにしてもコロンボは頭がいいですね。彼なりに苦労をしてきたのだということは、物語の終わりのあたりで語られています。
周りに頭がいいやつが多くて、自分でたくさんコツコツ努力をしてきたと。
結局のところ頭の良さは知識の量だと私は思うので、コロンボのようにたくさんの経験から学んで知識を増やしていくことが大切なんですよね。
様々な可能性を視野に、小さなことを丁寧につぶしていくことができると、自ずと真実が見えてくると言う。ホームズも同じような方法で捜査を進めていますしね。自然の中にある「不自然」を炙り出していくか。
あとは「対人経験値」です、なんといっても。
相手の性格を読んで、自分の術中にはめる(そんなつもりはコロンボもないのかもしれないですけど)展開は毎度舌を巻きますね。
今回も、相手の「傲慢さ」「自信過剰」を引き出したあたり、面白かったです。

最後にやっぱりこれは触れておきたい、音楽の話。
レコードプレーヤーがトリックに使われていましたが、流れていた曲は、チャイコフスキーの「ロメジュリ」です。
最高~~~~~!!!!超、超、超、かっこいい~~~~!!
私、大好きな曲です。ミスターメロディーメーカーですからね。

とても美しい旋律。印象的ですね。指揮はゲルギエフ。なんと14年前?2007年のプロムスか。結構さくさく進んでいくテンポ。
重たいのはとことん中盤で重いのもあるのですがね。これくらいのテンポが好きですね、

「殺しの序曲」ってタイトルは、このロメジュリから来ているのかな?
冒頭部分でいつも原題が出るんですけど、全然、「序曲」ってワードではなかったですからね。
原題は「The Bye-Bye Sky High IQ Murder Case」です。面白いですね、とんでもなく高いIQの殺人、みたいな意味かな?

ここまで読んでいただきありがとうございました(^^)

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ちゃんこい
Posted byちゃんこい

Comments 2

There are no comments yet.

CANDY

オリバーが死んでしまったバーティに「好きだったよ」というときの台詞が、子供が可愛がっていたペットの犬が死んじゃったときに言う口調で、人間の友人に対しての言葉じゃないんですね。吹き替えがうまいのかな。

2023/08/07 (Mon) 22:58
ちゃんこい

ちゃんこい

Re: タイトルなし

CANDYさん、コメントありがとうございます^^
オリバーが自分以外の人間に興味がないというのがよく分かる言い方でしたよね。
(「好き」だったのはうそではないんでしょうが。友情というよりは、イジりの対象として)
私は、このエピソードでオリバーから弄られる(?)バーティがひたすら可哀想で見ていて苦しかったです(ーー;)

2023/09/01 (Fri) 01:21